アンドビールは今年で創業9年目、醸造開始から8年が経ちます。

醸造所、場所、スタッフ、私たちを取り巻く環境、その全てが慌ただしく変化してきたため、自分では信じられないくらい常にフレッシュな気持ちでいつも醸造を続けています。変化を続けるアンドビールだからこそ、今一度、アンドビールというブルワリーを言語化する必要があると感じ、この文章を書いています。

Photo : Andbeer Brewery in Katsunuma

アンドビールはどんなブルワリーか


アンドビールは、「&」 beer 。その名の通り、世界中のあらゆるものからインスピレーションを受け、ビールに変えていくブルワリーです。私たちは今まで、行く先々で影響を受け、学び、それをビール作りに昇華する作業をし続けてきました。日本国内を問わず、北米、南米、ヨーロッパ、アジアを旅し、旅するだけでなく、衣食住全ての文化にどっぷり興味を持ってはまり込んだからこそ得られるものが多いです。

2017年、私たちは東京・高円寺で醸造を始めましたが、旅を続けている最中、2021年に山梨・勝沼というワイン醸造家が大勢集まる場所に辿り着き、醸造所を移設しました。そこでさらにワイナリーから得た知識を携えて、更にビール作りのスキルを向上しています。

Photo :Portland , US Cascade brewing


一つのものをとにかく追求するのも勿論素晴らしいことですが、私たちは旅を続け、新しい出会いと視野を広げ続けることを大事にしています。その結果、新しいものに取り組んだからこそ、これまでの取り組みについても新しい視座が加わり、思わぬ角度で質の向上に繋がることの連続を実感しています。

料理に例えると、南インドに滞在してスパイスの使い方を覚えた後で、唐辛子の原産地メキシコに行ったら、唐辛子だけで10種類以上のものを使い分けてブレンドする食文化を知ることができました。結果、インド料理では「数あるスパイスの一つ」であった唐辛子というものに対して、原産地ならではの使い方や、その多様な種類などの奥行きを知ることができて、カレーのつくり方も変わってきます。カレーを作っていただけでは、「唐辛子を複数種類ブレンドしたらもっと美味しくなるかもしれない」という視座が当たり前にはならなかったでしょう。

ビール作りでも料理と同じです。そのような学びはこれからも止むことなく、旅を続けます。

Photo : Mexican chilies

どのようなビールを作り、飲んだ人にどう思われたいか


私たちが作るビールは、シンプルではありません。時にブドウと一緒に数年間ワイン樽で寝かしたり、自然酵母にお任せしたり、リンゴを車いっぱいに積んで持ち帰ってきて、リンゴビールに変えたり、ジンやコーヒーなど他の飲み物のプロフェッショナルとコラボをしてビールを作ったり。

IPAやペールエール、スタウトといったオーソドックスなビールも勿論大好きで、オリジナリティと自信を持って醸造を続け、常にレシピを改善して来ていますが、特に力を入れて作っているのは前述したような”面倒な”ビール。私たちに驚きを与えたのもいつだって、そういったビールの垣根を超えて来かけているビールでした。アンドビールを飲むことで、飲む人に驚きを与えたい。ビールを通して、その人の世界を広げたいと真剣に考えています。

Photo : View from Katsunuma Brewery

改めて言語化してみましたが、いままで私たちが活動して来たこと全てが、それらを既に具現化してくれていました。いつもアンドビールを飲んでくださっている方々、関わって下さっている方々には、もう伝わっているはず。私たちの挑戦を応援してくださる皆様には大変感謝申し上げます。

アンドビールは更に驚きを多くの人に伝えるために、挑戦をやめず、更なる美味しいビールづくりを続けていきます。

文章:安藤家